危機からの大逆転、他にはない一杯を。
グローバル化という言葉がもてはやされていた時代、うんうんと頭を抱えている一人の男がいた。
株式会社カフェーパウリスタ・社長の私、長谷川である。就任早々、私は巨大な壁にぶつかっていた。
当時、米シアトル系コーヒー会社の日本進出をきっかけに、欧米の大手コーヒーチェーンが続々と日本に上陸。
その新しいスタイルは、あっというまに日本人の心を掴んでしまったのだ。
1世紀あまり前、コーヒー文化を日本に初めて発信し、銀ブラ(銀座でブラジルコーヒー)の語源になったと言われるほど、ハイカラな西洋文化として熱狂的に支持されていたのは何を隠そう私たち“カフェーパウリスタ”だ。
さあ、ニッポンの老舗として、ここはひとつ勝負に出なければ!
欧米の大手チェーンにはない、パウリスタだけの価値とは何だろうか・・・。
私は、昼夜を問わず考えぬき、そして、パウリスタのアイデンティティに立ち返り、ひとつの答えを見出した。