森のこーひーたより~生産者の顔と声~ 森のコーヒー生産者のコーヒー農園へ訪問した時の現地の様子やコーヒーへのこだわり、パートナーの皆さんの暮らしをレポートします。

こーひーたよりvol.227

「森のコーヒー生産者グループ」のメンバーの一人、エンリケ・スローパーさんは、有機栽培の中でも、“バイオダイナミック農法”という農法でコーヒーを栽培しています。“バイオダイナミック農法”は、ドイツで神智主義のルドルフ・シュタイナーが提唱した農法で、農薬と化学肥料を使用しないのは勿論のこと、土壌と植物、動物の相互作用だけでなく、天体の動きにも着目した農業を行います。

エンリケさんは、よく言います。「通常のブラジルのコーヒー農園っていうのは、コーヒーだけを単作で植えているモノカルチャーなんだな。このモノカルチャーっていうのは、ホント、問題が多いと思うよ。なにしろ見渡す限りの広い農園に、コーヒーしか植わっていないというわけだから。ハセガワは、植物の生きる環境として、異常だと思わないか?」

「モノカルチャー(コーヒーのみの単作)というのは、人間が“栽培”という極めて人工的なことをするために行っていることで、コーヒーの木からすると、あまりいい環境ではないんだな。もともとコーヒーが生まれたエチオピアでは、コーヒーは、森の中で、ほかの木や植物、動物、昆虫と共生しているんだ。だから、そういう森のような環境の方が、コーヒーの木にとっては良い環境なのさ。だから、このアグロフォレストリー(森の中で農業をするという考え方)は、本当に大切なことなんだ。」とエンリケさんは言います。

カモシン農園では、コーヒーだけではなく、農園で働く人たちが食べる野菜も自分たちで作っています。もちろん野菜も、農薬・化学肥料を使わず、バイオダイナミック農法を使って栽培しています。私も食べさせてもらいましたが、「野菜ってこんなに味が濃いのか・・・!」と感動を覚えました。


こーひーたよりvol.226

「森のコーヒー生産者グループ」のメンバーの一人、エンリケ・スローパーさんは、有機栽培の中でも、“バイオダイナミック農法”という農法でコーヒーを栽培しています。“バイオダイナミック農法”は、ドイツで神智主義のルドルフ・シュタイナーが提唱した農法で、農薬と化学肥料を使用しないのは勿論のこと、土壌と植物、動物の相互作用だけでなく、天体の動きにも着目した農業を行います。

もともとエンリケさんのコーヒー農園“カモシン農園”を作ったのは、エンリケさんの祖父でした。エンリケさんの祖父は、木の収集家で、世界中から木を集めてきては、カモシン農園に植えていました。現在、カモシン農園のロゴマークがカエデの葉の図柄なのも、おじいさんがカナダからカエデの木をもってきて、カモシン農園に植えたからです。

エンリケさんは、良く言います。「通常の農薬・化学肥料を使用する農業をやっていた農園を、オーガニックの農園にするのはものすごく難しいね。3年間は転換期間として、コーヒーを有機としては売れないし、だいたいコーヒーの木が化学肥料に慣れてしまっているから、化学肥料を切って、有機肥料に変えると収穫量は激減するね。」

また、こうも言います。

「だから、通常農業(農薬・化学肥料を使用する農業)を有機農業に変えるのではなく、最初から有機農業でスタートすることが大事なんだ。最初から、有機農業でコーヒー栽培を始めれば、そんなに難しいことはない。ウチの農園は、じいさんが、最初から有機で、色々な木を農園に植えていたからね。そこにオレが、コーヒーの木を植えたってわけさ。」


こーひーたよりvol.225

「森のコーヒー生産者グループ」のメンバーの一人、エンリケ・スローパーさんは、有機栽培の中でも、一風変わった“バイオダイナミック農法”という農法でコーヒーを栽培しています。

“バイオダイナミック農法”は、ドイツで神智主義のルドルフ・シュタイナーが提唱した農法で、農薬と化学肥料を使用しないのは勿論のこと、土壌と植物、動物の相互作用だけでなく、天体の動きにも着目した農業を行います。

エンリケさんは言います。
「バイオダイナミックというのは、オーガニック以上のものなんだ。まず、オーガニック農法をやっていなければ、バイオダイナミック農法はできない。オーガニック農法をやった上で、バイオダイナミック農法を実施することで、コーヒーの木の健康状態はより良くなるし、コーヒーの品質も良くなる。簡単に言うと、農業を自然のサイクルに合わせるということなんだ。バイオダイナミックの農業暦には、月、星、十二宮図の状態が記載されていて、それに合わせて農業をやるのさ。」

現在、カモシン農園には、ホベルタ・トレーズマンさんという、バイオダイナミック農法の専門家が常駐しています。彼女は、ブラジルのポテゥカテュにあるバイオダイナミック研究所の本部で、研修をしたバイオダイナミックの専門家です。

今回、私が、エンリケさんの農園“カモシン農園”を訪問したときに、ホベルタさんからバイオダイナミック農法の具体的な方法について、いろいろと教えてもらいました。


こーひーたよりvol.224

「森のコーヒー生産者グループ」の中でも、ブラジル有機栽培コーヒーの「鉄人」と呼べる生産者がリカルド・アギアールさんです。

リカルドさんは、言います。
「有機栽培でコーヒーをつくるために、有機肥料を農園の外から調達していると、大変なコストがかかる。そんな費用をかけていては、とても農園の経営が成り立たない。」

そのため、リカルドさんは、自分の農園「ノッサ セニョーラ デ ファッティマ」内に、牛と馬と豚を飼っています。牛や馬や豚は、農園内の雑草などを食べて糞をします。それが、堆肥化されて、また農園に戻されるのです。それだけではありません。リカルドさんは、豚の糞からバイオガスを作って発電もしています。

このように、牛や馬や豚は、有機・無農薬栽培の農園を維持してゆく上で、欠かせないエネルギー循環の中心の環なのです。なるべく農園外からの資材の持ち込みを少なくし、農園内でエネルギーが循環できるようにしているのです。

そのほかにも、農園内の建物は、ペットボトルをリサイクルした材料を使ってつくられていたり、リカルドさんのアイディアがいたるところに見られます。

リカルドさんの仕事を見ていると、「サステナブル」という言葉の意味が改めてわかります。


こーひーたよりvol.223

「森のコーヒー生産者グループ」の中でも、ブラジル有機栽培コーヒーの「鉄人」と呼べる生産者がリカルド・アギアールさんです。

現在リカルドさんは、人生のすべてを有機・無農薬栽培コーヒーにかけています。朝は、5時から農園に行き、まさに“人間ブルドーザー”という渾名がふさわしい働きかたです。

リカルドさんのすごいところは、農園経営がダイナミックで、スピードのあるところです。 ブラジルは、なんといっても国土が日本の約22.5倍、めちゃくちゃ広いので、農業もダイナミックです。また、国民性も、ブラジル人は、日本人と比べると、ダイナミックなものに向いているようです。逆にブラジルにいる日系人農家は、ブラジル人が不得意とする“花”の栽培など、細かい気遣いの必要なものをやっています。

そのリカルドさんのダイナミックさを垣間見たのが、コーヒーの乾燥場です。実は、2年前、ちょうど収穫期に、リカルドさんの農園がある地域に、非常に強い雨が降り、乾燥場にあったリカルドさんのコーヒーの一部が雨に当たり、被害を受けました。(ゲリラ豪雨は、日本だけではありません。異常気象は、全世界的な現象で、ブラジルでも起こっています。)

その時の反省を踏まえてリカルドさんが作ったのが、巨大なコーヒー乾燥のためのビニールハウスです。被害があった年の翌年には完成していました。この常に改善をしてゆくスピード感と、そのスケールの大きさがリカルドさんのすごいところです。


こーひーたよりvol.222

「森のコーヒー生産者グループ」の一人、クラウディオ・カルネイロさんの農園「ファゼンダ パイシャウン」は、あのスペシャルティコーヒーの産地として有名なカルモ・デ・ミナスにあります。クラウディオさんは、2010年の国際コーヒー品質審査会(カップ・オブ・エクセレンス)のブラジル部門で、93.91点の高得点を獲得して、第一位の栄冠に輝いた篤農家です。

クラウディオさんは、根っからのオーガニック(有機)コーヒーの生産者です。クラウディオさんのお母さんが、農薬を使用しない有機栽培の食品にこだわっていて、その強い影響で、クラウディオさんも無農薬・有機栽培コーヒーを作るようになったと語ってくれました。

「クラウディオさんのコーヒー」は、ブラジルスペシャルティコーヒーのメッカと呼ばれているカルモ・デ・ミナスのコーヒーの中でも独特です。まず、オーガニック農法で作られ、味も、ほかのカルモ・デ・ミナスのコーヒーと香味、風味がまったく違います。まさに、クラウディオさんにしか作れない味があります。それは、レーズン、チョコレートを想わせる風味、そして、バニラ、スパイスも感じる、今まで体験したことのないような独特な香味です。液体は、シルキーで滑らか。後味の余韻も甘さで消えてゆきます。

今月限定で、カフェーパウリスタ創業100周年記念セレクションとして「クラウディオさんのコーヒー」を販売いたしますので、ぜひこの機会をお見逃しなく。この独特の味をお確かめください。


こーひーたよりvol.221

「森のコーヒー生産者グループ」の一人、Sr.Jose Nicacio Itagyba de Oliveira・通称イタジバさんの農園『オンダス・ダ・マンチケイラ農園』は、あの高品質コーヒーが産出することで有名なカルモ・デ・ミナス地区にあります。この農園が始まったのは、なんと1850年、ブラジルの第二帝政時代でした。そして、現在のオーナー・イタジバさんが、この農園をオーガニック農園にしました。

化学肥料を使用しないため、オーガニックの堆肥を作り、コーヒー農園に撒いています。堆肥の作り方にも、イタジバさんの独特のノウハウがあるそうです。農園の標高は1,100~1,400mあり、16のプロットに分けられています。

イタジバさんが植えているコーヒーの品種は、イエローブルボン、イエローカテュアイ、ムンドノーボ、アカイなどです。農園には、25万本のコーヒーの木が植わっています。収穫は手作業で行われ、中米のようなselective picking(完熟の実のみ選んで手作業で収穫)を実施しています。

乾燥用のテラスは4つあり、そのうち、1つはコンクリートの床、2つが煉瓦造りの床、そして高品質コーヒー用のアフリカンベッド(高床式乾燥棚)の乾燥場があります。

農園内には、従業員用の近代的な家が17あります。すべての家で、ちゃんとお湯のシャワーが出るようになっています。また、全員が自分用の有機菜園を持っていて、さらに鶏も飼えるようになっています。従業員と話してみると、皆祖父の時代からこの土地に暮らしている人達で、自分達の故郷を愛していることがわかります。

イタジバさんは、言います。
「若いやつらは、皆、都会に行きたがるけれど、ウチの農園で働いた若者は皆わかるんだ。ここで働くほうが、ずっと人間らしい、良い生活が送れることを。」


こーひーたよりvol.220

2018年5月12日の早朝に「サンタ・テレジーニャ農園」のオーナーであり、「森のコーヒー生産者グループ」のメンバーでもあった、パウリーニョこと、パウロ・セルジオ・アルメイダ氏がお亡くなりになりました。私は、日本にいて、葬儀には参加できませんでしたが、ブラジルの輸出業者にお願いして、私の名前で花だけは出させていただきました。

その後の話は、今月の「珈琲道一直線」に書いたとおりです。「サンタ・テレジーニャ農園」は、長男のアンドレではなく、次男のファブリッシオが継ぐことになりました。パウリーニョの奥様(つまりファブリッシオのお母様)が、ファブリッシオを連れて私に会いに来たところを見ると、この農園の相続問題は、家庭内では完全に話がついたのでしょう。

ファブリッシオとは初対面でしたが、魅力的な若者です。もともと、地ビールの事業を一人で立ち上げ、成功させているのですから、手腕はあると思います。オーガニックコーヒーについても、これから学んでゆきたいと、意欲満々でした。

「サンタ・テレジーニャ農園」には、パウリーニョの時代から、もう何十年もパウリーニョと共にオーガニックコーヒーを作ってきた、農園スタッフがいますので、コーヒーの品質的には全く問題がないと思います。実際にカップ(味見)をしてみても、パウリーニョが亡くなる前と比べて、全く遜色のないコーヒーが出来ていました。

私が楽しみなのは、これから、ファブリッシオの時代になって「サンタ・テレジーニャ農園」がどう変わってゆくかです。農園自体のポテンシャルは、すごいものがあると思います。永年にわたるパウリーニョの土作り。これは、一朝一夕でできるものではなく、他の農園の追従を許しません。また、スタッフもベテラン揃いで、技術は高いです。ここに、ファブリッシオの若いアイディアが加わって、どんなオーガニックコーヒーが出来てくるか?今から楽しみです。


こーひーたよりvol.219

2018年の7月に「森のコーヒー生産者グループ」のメンバー、ジョン・ネットさんの「サント・アントニオ農園」を訪問した時に、びっくりするようなニュースがありました。それは、ジョン・ネットさんの次女のマルさん(マリア・ルイーズさん)にお子さんが誕生したというのです。男の子で、エドワルドという名前を付けました。

ジョン・ネットさんにとっては、初孫です。ジョンさんには、長男のジョアンジーニョさん、長女のフェルナンダさんがいますが、孫は生まれていませんでした。それが、末っ子のマルさんが一番先に孫を産んだのでした。ジョン・ネットさんも、嬉しそうでした。

それが、1年たって「サント・アントニオ農園」を再訪してみると、エドワルドは、本当にもう、大きくなっていました。

マルさんは、「サント・アントニオ農園」内にご自分の家を作って住んでいます。根っからのナチュラリストで、家の前に菜園を作って、有機野菜を作っています。フロリアノーポリスの大学で海洋学を専攻し、その後も、世界中の有機栽培の農園にご自分で研修に行くなど、数々の経験を積んできました。現在は、ジョン・ネットさんを手伝って農園の仕事をしています。「サント・アントニオ農園」の後継者はマルさんだろう、というのが衆目の一致するところです。

そのマルさんに、後継ぎができました。息子のエドワルドは、すくすくと育っています。


こーひーたよりvol.218

「森のコーヒー生産者グループ」のジョン・ネットさんの農法は、農薬は一切使用しませんし、肥料もやりません。

「それで、よくコーヒーが収穫できますね。常識では考えられません。」とジョンさんに訊いたことがあります。

ジョンさんの答えは、

「森の力(ちから)を使うからさ。」

というものでした。

コーヒー発祥の地・エチオピアでは、コーヒーは、森の中に生えています。コーヒーは、日光を好む植物にもかかわらず、日当たりが強すぎると元気がなくなってしまいます。森の中で生きることによって、他の背の高い木が、コーヒーのために日陰を作ってくれるのです。

コーヒー農園の中に、いろいろな木や、動物や、昆虫、微生物が共生し、生き物の"森"を作ることにより、自然の生物ピラミッドができ、病害虫にも天敵ができることによって、特定の病害虫が、爆発的に発生することがなくなるのです。


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